- 知らなかった!カラダとカルシウムのこと
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・・・と、のんびり考えていませんか?カルシウムは毎日身体から出ていくって知ってますか?
25歳を過ぎるとカルシウムの吸収率は低下し、体内から減少します。カルシウムの役割は骨だけではありません!!
カルシウム不足をほおっておくと体が色々な変調を引き起こします。
25歳を過ぎたらカルシウムの事も真剣に考えてみませんか?「カルシウムは生命の炎」
カルシウムがなければ、生命はいっときも生きられません。
それは、血液の中のカルシウムが、心臓や脳を動かし、60兆個の細胞はカルシウムの出す情報によってそれぞれの役割を果たしているからです。だからカルシウムの摂リ方が足りないと、体は自分の骨を溶かしてカルシウムを補うしくみがあるのです。
- カルシウムパラドックス
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「骨粗鬆症はカルシウム不足が原因」というのは、だれもが納得できることですが、「高血圧や糖尿病、さらには認知症や酸化ストレスが引き起こす、様々な生活習慣病もカルシウム不足が関わっている」というと、皆さんは「エッ?」「どうして!」と思われるでしょう。高齢化社会でますます深刻化する生活習慣病は、いずれも「カルシウム欠乏症」という根っこと大きな関係があるのです。この驚くべき事実を、これからご説明しましょう。
カルシウムといえば、私たち動物の骨や歯などを形成するうえで欠かせない栄養素の一つなので、カルシウムが足りなければ骨が弱く脆くなることはよく知られています。
しかし、カルシウムには生命そのものと直結した大切な働き、すなわち心臓や脳を動かすための情報伝達機能という、何ものにも代えることができない重要な働きがあります。血液中からカルシウムが無くなると、心臓は停止してしまいます。ですから、生命維持の働きで血液中のカルシウムが減少したときは、直ちに骨を溶かして血液にカルシウムが補われる仕組みになっているのです。カルシウムがこのような大きな役割を担っているために、カルシウム不足が慢性化すると、骨がスカスカになるばかりでなく、今度は逆に骨以外の全身でカルシウムの過剰が起こり、これが、さまざまな病気というかたちで、私たちに襲いかかってくるのです。これをカルシウムパラドックスと言います。「認知症」も「骨粗鬆症」もそのあらわれなのです。
- 日本人は慢性的カルシウム不足
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◆カルシウムはやっぱり足りていない!
カルシウムが、骨を丈夫にするための大切な栄養素だということはよく知られていますが、どのくらい摂れば十分かは、はっきりと理解されていないようです。体重50㎏の人の体内にあるカルシウムは約1㎏(1000g=100万㎎)で、その99%は骨にあります。そんなに大量にあるのなら、心配せずに、通常の食事に加え、時々牛乳でも飲んでいればよいだろうとお考えかもしれません。しかし、そんなにのんびりもしていられないのです。
日本人の15歳以上のカルシウム摂取の推奨量(平均値)は、男子で730㎎、女子で650㎎です。現実的にはそれを下回り、男性で520㎎、女性で489㎎しかありません(※1)。◆生命の炎 カルシウム
カルシウムは「生命の炎」ともいわれ、骨を強くするだけでなく、心臓や脳の働きを保つうえでも必要です。血液中のカルシウム濃度が低下すると、心臓は瞬く間に停止してしまいます。ですから血液中のカルシウム濃度を一定に保つために、不足したときは、骨からカルシウムを必要な分だけ取り出しています。ちょうど、家計に必要なお金を銀行から引き出すようなものです。お金と同じように、カルシウムにも、どうしてもこれだけは必要というギリギリのレベルと、健康で文化的な生活を営むためのゆとりを加えたレベルがあります。680㎎というのは、ギリギリのレベルです。現代生活は予期しない出来事もストレスもあり、少しは余裕がないと安心して過ごせません。しかも、加齢とともに腸からのカルシウムの吸収力は減るので、カルシウムの必要量はさらに増加します。
(※1)厚労省 日本人の食事摂取基準(2015年) 国民健康栄養調査(2015年)
- カルシウムパラドックスは万病のもと
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◆カルシウムパラドックスって?
カルシウムの摂取量が不足すると血液や細胞のなかでは逆にカルシウムが増える、という不思議な現象が起きます(※2)。これをカルシウムパラドックスと言いますが、それはどのようにして起きるのでしょうか。
カルシウムが、「生命の炎」とも言われるのは、骨を作るだけでなく生命維持に不可欠な栄養素であり、それゆえ、血液中のカルシウム濃度は常に一定に維持されていなければならないからです。カルシウムが一定の濃度に保たれていないと、心臓や脳の働きが乱れ、生命活動そのものが危うくなるのです。
カルシウムの摂り方が足りないと、まず、血液中のカルシウムが減ります。これは大切な情報として、副甲状腺(甲状腺の後にある米粒のような4個の器官)という内分泌腺に伝えられ、その結果、副甲状腺ホルモンが分泌されます。副甲状腺ホルモンの大切な仕事は、骨に働きかけ、骨からカルシウムを取り出して血液中に移動させ、血液中のカルシウム濃度を一定に維持することです。ところがカルシウム不足が慢性的になっていると、生命を維持するために常に骨からカルシウムが溶かし出されるので、ご存知のように骨粗鬆症になりますが、それだけではありません。副甲状腺ホルモンがいつもたくさん出ていると、必要以上に多くのカルシウムが溶かし出され、過剰分は行くところがなくなって血管や脳や軟骨、各細胞の中など、通常はカルシウムが侵入禁止になっている組織にまで押し込まれてしまうのです。◆恐ろしい、カルシウムパラドックス
血管の組織にカルシウムが増えると、当然、血管は硬く狭くなります。これが動脈硬化です。硬い血管は狭くて血液が通りにくく、しかもカルシウムが血管を硬くし、自由な収縮を妨げるので、血圧も上がります。事実、カルシウムの摂り方が不足している人では高血圧や動脈硬化が多く、カルシウムを十分に摂ると快方に向かうことが、わかっています。また、明らかにカルシウム不足で起こる骨粗鬆症は、動脈へのカルシウム沈着と一緒に起こることが、100年以上も前から知られています。最近では高速断層撮影(CT)という新しい方法によって、カルシウムやビタミンDの不足している人に冠動脈の石灰化(心臓に血液を送り込む冠状動脈の動脈硬化)が多いこともわかっています。その意味で、骨粗鬆症と動脈硬化は、カルシウム不足を原因とした、表裏一体の関係にあると言えましょう。
次の写真は大動脈付近のレントゲン写真です。通常、血管はレントゲンには映りませんが、動脈硬化を起こした血管はカルシウムパラドックスによる細胞の石灰化(カルシウム沈着)が起こっているので、血管に白い石灰影が見えます。右側の写真には石灰化した血管が浮き上がってみえます。これはカルシウム不足がもたらした大きな弊害の一つです。
細胞の中はもともと真空管のように、カルシウムはほとんどなく、それは細胞が健全に活動するための条件です。もし細胞内にカルシウムが侵入すると、細胞自体の働き・機能は著しく低下するのです。脳細胞にカルシウムが増えると脳の働きが低下し、特に記憶を司る海馬という部位でそれが起こると、認知症になります。膵臓の細胞の中にカルシウムが入り過ぎると、血糖値が高くなってもインスリンが十分に分泌されず、糖尿病になります。ガンも、発生する器官の差こそあれ、細胞の中に大量のカルシウムが侵入し、それが細胞機能を衰えさせ、その結果、免疫力が低下することによって起こるのです。筋肉の力も、筋肉組織内にカルシウムが入り過ぎると弱り、軟骨にカルシウムが入り過ぎると、変形性関節症や変形性脊椎症という腰や膝の痛む病気になります。生活習慣病といわれる病気のほとんどすべての原因が、カルシウム不足によるカルシウムパラドックスだというのは、大変恐ろしいことです。
カルシウムパラドックスの一番わかりやすく、しかも誤解されている例は、結石でしょう。結石は、カルシウムの摂り過ぎから起こると思われがちですが、実際は全く反対、その原因はカルシウム不足なのです。ハーバード大学のカーハン教授は、カルシウム摂取と腎臓結石の発症の関係について十数年間追跡調査しました。その結果、カルシウム摂取の少ない人に腎臓結石ができやすく、十分な人にはできにくいことがわかりました。
カルシウムが足りないと、骨から余分なカルシウムが溶け出して結石になるのです。骨の中には、毎日食べる食事に含まれる量の何万倍ものカルシウムがあります。また、結石のできやすい人は、カルシウム不足で血液中のイオン化カルシウム濃度の低い人、副甲状腺ホルモンが多く分泌されている人、血液中のマグネシウムの高い人に多いこともわかってきました。
(※2)パラドックス(=逆説)の意味は、一見、真理に背いているように見えるが、実は真理を言い当てていること。または常識と考えられていたことが真実ではなく、逆に常識ではないと考えられていたことが正しいということ。
- カルシウム不足と高血圧
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◆マッカロン博士の発見
日本人のかかる病気の中で一番多いのは何でしょう。例えば、風邪をひいたことがないという人はほとんどいないと思います。少なく見積もっても、日本人の半分の6000万人は風邪にかかったことがあるでしょう。しかし、赤ちゃんやお年寄りなどの免疫力の非常に弱い人以外はすぐ治るので、一時的な病気といえますし、なかなか治りにくいとしても、押さえ込むことができます。これに対して、慢性の病気の中では高血圧が断然トップで、患者数は4000万人とも言われています。加齢とともに血圧は上がるので、高齢化によってこれからますます増えるでしょう。
加齢とともに増えてくる病気を、かつて成人病・老人病と呼んでいました。最近では、長年の生活習慣の積み重ねによって起こることを強調して、「生活習慣病」に統一されています。高血圧は、加齢と共におこることが多く、心筋梗塞や脳卒中といった死に至る病気を引き起こすことから、生活習慣病の代表選手とみられています。その高血圧を起こすのは、ナトリウムの摂り過ぎではなくてカルシウムの欠乏だという研究結果を、アメリカのオレゴン州のマッカロンという腎臓病と高血圧の専門家が1984年に発表しました(※4)。マッカロンによると、高血圧患者を対象に、ナトリウムとカルシウム摂取について栄養調査を行ったところ、ナトリウムの摂り過ぎではなく、カルシウムの不足している人が多かったというのです。
◆高血圧のメカニズム
では、なぜ、カルシウムが不足すると血圧が上がるのでしょうか。
血液は血管の中を強い勢いで流れています。血管が狭くなると、ポンプである心臓は、より強い力で血液を送り出そうとするため、大きな負担がかかります。と同時に、血管にも強い圧力がかかります。
カルシウム摂取量が少ない時、血液中のカルシウムを一定に保たなければ生命が危ないので、副甲状腺ホルモンが出てきて骨からカルシウムを取り出します。骨から溶け出たカルシウムは、やはり副甲状腺ホルモンの働きで、血管壁の細胞の中に入ります。筋肉は、細胞内にカルシウムが増えると収縮する働きがあるため、平滑筋の細胞内にカルシウムが入ってくると収縮が強くなります。その結果、血管の内腔が狭くなり、血液が通りにくくなり、心臓は今までより強い力で血液を押し出さなければ、全身に血液を送ることができなくなります。これが高血圧です。
ナトリウムを摂り過ぎると血液が水分で膨張します。しかし、それよりも、体内でのナトリウムの増加がカルシウムを体外へ排出させ、カルシウムの欠乏を起こすことが、高血圧を悪化させる大きな原因だったのです。もちろん、自律神経やストレス、遺伝、他のホルモン等、高血圧を悪化させる因子は多いのですが、カルシウムを充分補給すると、高血圧が改善する例がたくさんあります。
この様にナトリウムの過剰摂取、カルシウム欠乏。この二つはどちらも高血圧を引き起こし、両者の間には、切り離せない関係があります。◆高血圧のネズミは骨も弱い
京都大学名誉教授の岡本耕造博士が日本で初めて育種に成功した自然発症高血圧ラットは、血圧の高いネズミを掛け合わせて、ヒトの高血圧と似た状態をつくり出したものです。調べてみたところ、このネズミは腸からのカルシウムの吸収が悪く、カルシウムが不足しているにもかかわらず、血管壁や他の細胞内では、かえってカルシウムが増えていることがわかりました。そこで、カルシウムを充分に与えると、高血圧が起こらなくなることもわかりました。極度の高血圧で、脳卒中を起こすネズミの系統では、高血圧と骨粗鬆症が併発していることも明らかになっています。
高血圧は、カルシウム・パラドックスの顕著な例で、この病気を通して謎が解明されようとしているのです。
(※4)McCarron JA, Blood pressure and nutrient intake in the US. Sciense 1984;224:1392-8
- カルシウム不足が引き起こす「動脈硬化」
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◆血管がポキポキ折れる
動脈は心臓から全身の各組織へ血液を送る管です。伸縮自在で、必要に応じて太くなったり細くなったりします。したがって、常にゴム管のように軟らかくなければなりません。動脈硬化というのは、軟らかいはずの動脈が硬くなることです。逆に、体を支えるために硬くなければならない骨が、軟らかくなってしまう病気を骨軟化症といいます。骨軟化症は、カルシウムやビタミンDの不足によって骨のカルシウムが減り、骨の石灰化が不十分になることです。反対に、動脈硬化は、カルシウムが動脈にたくさんついて、骨のように硬くなってしまうことです。日本の老年医学の開拓者である尼子富士郎博士(1893〜1972年)は、かつて浴風会病院で老人の献体解剖をした際に、大動脈が骨のようにポキポキ折れるほど硬くなっている多くの症例に接し、その謎を解明するために老人病の研究を志した、という話が知られています。
◆動脈硬化へのステップ
折れる程に動脈が硬くなるには、いくつかの段階があります。広く知られているのは、コレステロールとの関係です。コレステロールやその他の脂質は、血液から血管壁に入り、線維化と細胞の増殖を起こして壁を厚くさせます。血液の通る道は、当然狭くなります。そして、そこにカルシウムが付着するので、血管が硬くなります。動脈硬化の最後の仕上げは、カルシウムの仕業なのです。しかし、カルシウムの役割はこれだけではなく、コレステロールが血管に入るずっと前に、動脈硬化の最初の段階から、すでに始まっています。
カルシウムが不足すると、血液中のカルシウム濃度が少し下がり、これが副甲状腺ホルモンの分泌を高め、その働きで骨からカルシウムが溶け出し、血管壁にもカルシウムが増加します。これが上述のカルシウムパラドックスです。カルシウムが血管壁に入ると平滑筋が収縮し、高血圧になります。すると、心臓は常に強い力で血液を押し出すので、血液の強い圧力によって血管壁に細かい傷がつきやすくなります。そうした傷からコレステロールが侵入したり、また、このような傷を治していく時、カルシウムが過剰反応を起こさせ、細胞が集まって増殖します。つまり、カルシウムがトロイの木馬のように血管の防壁を通り越して、コレステロールを導き入れるのです。
高血圧と動脈硬化は一つの糸で結ばれており、その背景にあるのがカルシウム不足です。そして骨粗鬆症は、必ずそれと併行しておこっているのです。動脈硬化は、大変恐しい病気です。脳の働きの大部分が失われ、運動や言葉の障害の起こる脳血栓(脳軟化症)や、一瞬のうちに生命を奪う心筋梗塞は、動脈硬化が原因です。そしてその大もとは、カルシウム不足と脂質代謝異常なのです。
- カルシウム不足と「アレルギー・自己免疫疾患」
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◆体を守る細胞内の戦争
免疫という言葉が使われ出してから、伝染病に対する認識がすっかり変わってきました。ペストやコレラ、天然痘などの伝染病は感染力が強く、一つの町の住民が皆感染して、町が荒れ果てる程恐ろしいものでしたが、大流行の時でも、不思議にその病気にかからない人がいました。ちょうど、厳しい税の取り立てを免れる人がいるように、ごく一部、発病から免れることのできる人がいたのです。
また、一度かかって助かった人は、二度目の流行に出会っても免疫があるので、その病気にかかりませんでした。ジェンナーがこの原理を使って、毒性の弱い牛痘をわざと注射して免疫をつくったのは、画期的なことでした。そのおかげで、天然痘は今では地上から消えた、という勝利宣言が出されました。予防接種は面倒なものですが、自分だけでなく、他人への感染を防ぐためにも威力を発揮するので、伝染病はすっかり減りました。しかし、エイズのように、予防接種がなかなか作れない病気もまだあります。
免疫は人体に外から侵入してくるウイルスや細菌、異物に対して体を守る仕組みです。一度体内に入ってきたものをよく覚え、自分の体で作られたものか、他から入ってきたものかを区別し、有害な異物は壊し、排除します。そうした迎撃部隊に相当するのがT細胞、B細胞、巨大貪食細胞などであり、情報を交換しながらチームを組んで、その働きを続けます。各々の免疫細胞は携帯電話のようなものを持っており、カルシウムはその電波の働きをしています。◆通信網のカギを握るカルシウム
細胞の中には、本来カルシウムはほとんど存在せず、血液には細胞の中の1万倍のカルシウムがあります。細胞にはそれぞれに与えられた役割があり、その役割が果たせなくなると、様々な支障をきたします。そして、細胞が正常な働きをするためには、正しい情報伝達が必要なのです。正常な細胞は真空管にたとえることができます。細胞中にカルシウムがほとんどない真空状態だから、情報伝達物質であるカルシウムに対して迅速に反応することができるのです。もしも、カルシウムの摂り方が不足して、副甲状腺ホルモンがたくさん出てくると、免疫細胞の中にもカルシウムがたくさん入ってしまって、細胞の中と外の差が少なくなり、情報をキャッチする力が弱くなってしまいます。時には混信が起こって誤った情報が伝えられることもあります。免疫は異物=敵から身体を守る為の細胞内戦争のようなものです。カルシウムはそこでのいわば通信網の役目を果たしているのです。
アレルギーは、免疫と裏表の関係にあります。外からの異物に立ち向かって、これを排除するはずの免疫細胞やそれらが作り出す抗体が、強く反応しすぎて、体に対して有害な働きをするのです。ペニシリンショックは有名な例で、抗原と抗体の反応によって気管支のけいれんが起こされ、生命の危機をもたらすこともあります。
自己免疫疾患というのは、免疫細胞の間の情報交換が混乱して、異物と間違えて自分自身の細胞を攻撃してしまうことです。慢性関節リウマチ、SLE(全身性エリテマトーデス)、血管炎などはこうして起こります。カルシウムパラドックスによって細胞の中のカルシウムを増加させてしまったことが、免疫細胞の間の情報交換を妨げ、混乱(様々な病気)を起こすのです。例えるなら、通信システムが混乱して、誤った情報が伝わり、敵と間違えて関係ない一般市民に対して発砲するような、あってはならないことが自己免疫病です。◆免疫システムに不可欠なカルシウム
細胞の中のカルシウムがさらに増えてくると、情報交換はますます混乱して、生活できなくなり、細胞自身が消えてしまうこともあります。エイズが恐ろしいのは、T細胞という免疫細胞がウイルスによって死滅させられてしまうためで、免疫不全の顕著な例といえます。免疫細胞が死ぬ時には、必ず細胞の中のカルシウムが増加します。細胞内でカルシウムが増えることは、細胞死の最終共通経路といわれています。
カルシウム欠乏が細胞内のカルシウムを増やすというカルシウムパラドックスは、細胞の生命にとって、大きな危機をもたらします。カルシウムを充分に摂っていれば、余分な副甲状腺ホルモンが分泌されることもなく、免疫細胞の中にもカルシウムが異常に増えることはありません。感染に対する抵抗力を保つには、日頃からカルシウムを十分に摂ることが、何よりも大切なのです。
- カルシウム不足と認知症
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◆記憶力もカルシウムしだい
小学生は優れた記憶力を持っています。一方、大人は、まだ若いつもりでも記憶力が少しずつ衰えていきます。特に中年ともなると、覚えている人の顔は頭に浮かんでも名前が出てこないことや、電話番号を忘れてしまうことが頻繁にあります。その程度のことは、「ど忘れ」としてあまり気にしない方がよいのですが、このような物忘れが極度に強くなったのが、いわゆる認知症です。
認知症の中には、脳血管の障害で十分に血液が脳に運べず、脳細胞が壊死する脳軟化症(脳梗塞の病変)が原因となる場合もあります。脳の中でも、記憶を司る大切な場所を海馬(かいば)といい、認知症の代表例であるアルツハイマー症候群では、特にこの場所での細胞が失われて行きます。
脳は神経の総本山ともいえる場所です。そこでは、神経細胞とそれから出る神経線維が集積し、色々な部分で、運動・言葉・記憶などの役割を分担しています。脳の働きも、結局は一つ一つの神経細胞の働きの集まりです。カルシウムは、神経細胞の働きにも決定的に重要な役割を果たしています。副甲状腺ホルモンは、骨や腎臓だけに働くと思われていましたが、脳の神経細胞にも働いていることが証明されました。カルシウムの摂取不足により副甲状腺ホルモンがたくさん出てくると、脳細胞にカルシウムを押し込みます。神経細胞の働きは、もちろん情報を伝えることですから、カルシウムが細胞の中で増えてしまうと、細胞の外と中のカルシウムの大きな濃度差がなくなり、情報を伝えることが出来なくなります。その結果、細胞は本来の役割を果たせなくなります。脳細胞ではカルシウムが増えると、細胞死に至ります。そして、脳細胞は、いったん失われたら再生しない細胞です。他の部分の脳細胞が多少はカバーしますが、失われた細胞の働きが完全に元に戻ることはありません。
カルシウムを十分にとって、脳細胞の中のカルシウムが増えないようにすることが、脳の働きを維持するための有力な方法です。◆カルシウムを摂ることが脳細胞を健康に保つ
脳細胞の中でカルシウムが増えるのは、認知症に限らず、脳炎でも脳血管障害でも、脳の細胞が失われて行くときには常に起こる現象です。例えば、脳の外傷や血管障害で、脳に酸素が充分に届かないときにも、脳の細胞の中でカルシウムが増えます。
日頃からカルシウムを十分に摂っていれば、副甲状腺ホルモンが過度に出ることもなく、脳の細胞の中に余分なカルシウムが入ることもありません。心掛けてカルシウムをたくさん摂っている人や、女性ホルモンを服用してカルシウムの吸収を良くしている人には、認知症が少ないという報告もあります。
認知症に関してもう一つ困ることは、夕方になると落ちつかなくなり、外出しても迷子になって、交通事故に遭ったりすることです。これを「たそがれ症候群」といいます。治療・入院中にせっかく自由な時間を楽しんでもらおうと思っても、認知症病棟には鍵を掛けて閉鎖病棟にしなければならないのは、大変残念なことですが、事故を防ぐためには仕方のないことなのです。血液中のカルシウム濃度は、夕方になると少し下り、副甲状腺ホルモンが増えます。これが「たそがれ症候群」の原因の一つです。
- カルシウム不足と「変形性関節症」
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◆痛みは年のせい?
年をとって一番困ることは、体が自由に動かないこと、また、腰や背中、膝などが痛むことでしょう。年のせいだといって、何とか我慢している人がほとんどです。医師に相談しても、根本的な治療法がないといわれることが多く、この痛みさえなくなればどんなに良いかと、大勢の高齢者が困っておられます。
骨粗鬆症が、高齢者、ことに女性に多いことはよく知られています。カルシウム不足になると、血液の中のカルシウム濃度を低下させないために、副甲状腺ホルモンが骨からカルシウムを取り出して血液中に補うしくみになっています。このことを繰り返すうちに骨のカルシウムが減少してゆくのが、骨粗鬆症です。
カルシウムの摂り方が少ないために、骨の中のカルシウムが減るのはよく理解できます。しかし、不思議なことに、血管や脳やさまざまな細胞の中ではカルシウムが増えるカルシウムパラドックスについては、まだまだ充分に理解されていません。そして、カルシウムパラドックスになると、軟骨の中にもカルシウムが入ってくるというと、驚かれる人も多いでしょう。◆痛みはカルシウム不足で悪化する
血管の壁や脳と同じように、軟骨にはもともとカルシウムはほとんどありません。しかし、加齢とともに、軟骨中のカルシウムはますます増加します。なぜならカルシウムの摂り方が少なくなり、腎臓での活性型ビタミンDの生成能力が低下し、腸からのカルシウムの吸収が減ること、また女性では、エストロゲンの分泌が減って、腸からのカルシウムの吸収力が弱くなることが、副甲状腺ホルモンの分泌を増やし、軟骨細胞の中にカルシウムを侵入させるからです。また、軟骨は、骨と骨の間にあるゴムのような弾力性のあるクッションですが、骨の間にはさまれて圧力が加わるほど、その中に含まれるカルシウムは増えてきます。関節を長い間使ううちに、軟骨にはカルシウムが入り、硬くなります。カルシウムの摂り方が足りないと、ますますその傾向は強くなります。
軟骨にカルシウムが入ると、どのようなことが起こるのでしょう。まず、軟骨は古いゴムのように硬くなります。さらに、関節は常に使われているので、固くなった軟骨は次第にすり減って行きます。クッションがなくなった関節では、骨と骨が直接ぶつかって、変形していきます。これが変形性関節症で、膝・股関節・よく使う手の指などに多く起こります。なかなか厄介で、手術が必要なこともあります。
この現象が背中に起こると、変形性脊椎症になります。家具などは、使えば使うほどすり減りますが、骨と骨がぶつかる所では、逆に、たんこぶのように骨が飛び出してきます。これを骨棘(こつきょく)といいます。棘(とげ)のような余分な骨が神経を刺激するので激しい痛みが生じるのです。骨粗鬆症は、骨折と変形が起こるまではまったく痛みがないので「沈黙の病気」といわれますが、変形性関節症は初めから終わりまで強い痛みが続きます。変形性脊椎症の場合、DXA(二重エネルギーX線吸収法)などによる骨量測定では、かえって骨量が増えているので、骨粗鬆症の対極にある「骨が強すぎる病気」だと考える人もいました。
しかしこれは間違いであり、どちらもカルシウムの摂り方が不足して起こる病気なのです。変形性関節症も、カルシウム不足が原因で軟骨にカルシウムが集まる、カルシウムパラドックスであることがわかりました
- ナルホド、3Aカルシウムってスゴイ
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カルシウムは吸収がいのち!食べることイコール、吸収とはなりません。
3Aカルシウムの優れた吸収性は下記のデータにより明らかです
なぜ、3Aカルシウムは、従来のカルシウムより 格段に吸収利用率が高いのでしょう?
3Aカルシウム(Active Absorbable Aminoacid Calcium)は、海草(植物)から発見されたカルシウムの吸収を良くする「アミノ酸等の有用成分やミネラル」が、カルシウムと一緒に含まれているからです。これらの有用成分は動物や鉱物のカルシウムにはほとんど含まれていません。このことは、植物しか食べない象や牛、海草を食べる貝類が、丈夫な骨や殻を持っていることからもわかります。
ところが人には植物を完全に消化する酵素がないためせっかく食べても、カルシウムも有効成分も十分に吸収利用することができません。そこで3Aカルシウムは、海草の中のカルシウムの吸収を良くする成分を特殊製法でカルシウムと一緒に抽出しました。その海草のカルシウムと不要な成分を取り除いたカキ殻カルシウムとドッキングして、従来のカルシウムより吸収利用率の優れたカルシウムを完成させました。
3Aカルシウムには現代人が不足しがちな鉄・亜鉛・マンガン等天然の微量元素が含まれています。監修 藤田 拓男
神戸大学 名誉教授
葛城病院 名誉医院長
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「吸収率が優れた3Aカルシウム」のパイオニアです。
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